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皮膚科で処方された薬の塗り方
皮膚科の外来をしていると、塗り薬を塗ってもなかなか良くならないと受診する患者さんが多くいます。
でも中には、塗り方を変えるだけで良くなる方も多いですよ!
ぜひ、皮膚科で処方された薬を、正しい塗り方で塗って早く治しましょう(*^o^*)!
塗り方の基本
軟膏を塗る量の目安は1FTU(フィンガーチップユニットの略)
人差し指まで出した軟膏を手のひら2枚分の大きさに塗る方法です。
マルホ(ヒルドイド)公式HPより
皮膚科ではこの方法で指導されることが一般的です。
しかし、実際は塗る量が不十分な場合が多いです。
「ティッシュペーパーがヒラヒラと張り付いて落ちない程度」の塗り方が目安です!
そうすると、下着やパジャマに着いてしまうと思います。
衣類に着いても全く構いませんが、着いてしまうことが嫌な方は、ガーゼを購入して、広げてペタッと軽く張り付けてから下着を着ましょう!
あまりベタベタするのはイヤです!
と、思われるかもしれませんが意外と慣れますよ!
それに、良くなってくれば塗る頻度も減ってきます。
良くなるまでは、処方された薬を頑張って塗って下さいね!
1日2回塗る!
お風呂上りなるべく5分以内に塗る+朝に塗る。
塗るのが大変だったら、1回で良いのでしっかり塗りましょう!
毎日1回でもちゃんと十分に塗ると大分違いますよ。
優しくケーキにクリームを塗るような感じで塗る!
意外に大切なポイントがこれです。
絶対に擦らない!こすらない!
よく効くように、皮膚にしっかりぬるように擦りこんで塗っている方が多くいますが、
逆に湿疹や痒疹(ボコボコ)が悪化する場合があります。
ケーキにクリームを塗るように、擦らないように塗りましょう!
お風呂で体を洗うときも、ゴシゴシ擦らないようにしましょう!
塗るのをすぐにやめない!
特にステロイドの塗り薬を使用すると、比較的にすぐに良くなるので、数日でやめてしまう場合が多いです。
でもまずは、2週間は程度続けて塗りましょう!
改善したら、1日1回、1日おき、、、と徐々に塗る頻度を減らしましょう。
(陰部や顔など皮膚の薄い部位はもっと短期間の場合もあります。また、ステロイドの強さによっては異なる場合もあるので医師にどれくらいの期間塗ったらよいか聞きましょう!)
古い混合軟膏は捨てましょう!
良く1年前に皮膚科で処方された薬を使いました、と受診される方がいらっしゃいます。
混合容器の薬は長くても使用期限は3ヵ月です。実際には多くの混合薬がもっと早く配合変化を起こし、分離したり、効力が落ちてきたりします。
暑い夏場は冷蔵庫で保存するのも良いです。
古い薬は廃棄して、新しい薬を皮膚科で処方してもらいましょう!
ちなみに、チューブで出された軟膏は開封してからおよそ1年間と言われています。
チューブには使用期限も記入されているので確認しましょう。
チューブの薬は開封しなければ使用期限まで持ちます。(薬局の在庫状況にも寄りますが、1~2年先までは使用期限がある場合が多いようです)
※乳幼児のおむつかぶれに処方される薬で有名な、
OGZ(グリメサゾン+亜鉛華軟膏(またはサトウザルベ)混合)は常温で2週間で分離してくると言われています。
こちらは冷蔵後で保存するともっと長持ちしますので、冷蔵後に入れておきましょう!
小さいお子さんは塗るのが大変!
我が家にも乳幼児がいるのでその気持ち分かります(^^;)!
お風呂あがり、なるべく早く塗ろうとしてもてんわやんわで塗れないこともあると思います。
また、子供が嫌がって塗らせてくれないこともあります。
そんな時には、以下のことを試してみましょう!
子供と一緒に塗る。
少し指に軟膏をつけてあげて、一緒にお腹や腕などをぬりぬりしましょう。
ワセリンやヒルドイドなどの保湿剤であればなお安心です。
人形にしゃべらせて塗る。
〇〇ちゃん、ぼくが一緒にぬってあげるね~!などと人形にしゃべらせながら塗ってみましょう。
アンパンマン人形や電車など、なんでもその場にあるおもちゃで良いと思います。
意外に子供は嬉しがって塗ってくれたりしますよ!
お風呂上りの飲み物を飲んでいるすきに塗る。
お風呂上りに麦茶を一杯飲ませている間にササっと塗るのも良いと思います。
お風呂上りに好きなテレビを見せている間にぬる。
夜だとテレビを見せることに抵抗があるかもしれませんが、この時間だけ「ワンワン」や「アンパンマン」など子供が好きなテレビを見せてあげて、その間に塗ってしまいましょう!
それでもだめなら、子供が寝静まったあと、こっそりと塗ってあげましょう!
それでも塗るのを嫌がる場合や十分に塗れなかった場合には、就寝後に塗ってあげるのも手です。
我が家もときどき子供が寝静まった後に塗っています。
ついでに爪切りもしています(笑)動かないので安心ですよ。
爪が伸びていると、湿疹などを掻いてしまってとびひになることもあります。
なるべく爪はこまめに短く切っておきましょう!
大変ですが慣れもあります、頑張ってはやく良くしてあげましょう!
※上記の様な塗り方をしても改善しない場合や、悪くなる場合にはきちんとかかりつけの皮膚科で相談しましょう。